不動産を買う場合
不動産を取引する場合には、その終了までにいくつかの重要な項目があります。
安全に安心して取引するには、このガイドが必ず役に立つはずです。
1.希望する条件の整理と情報の収集をする
・希望する条件を羅列して整理しましょう。
・不動産情報は、新聞広告・チラシ広告・情報誌・常設展示場・インターネットなどを通じて収集されますが、まずは相場をつかむこと、次に記載されている内容をしっかりと確認しましょう。
特に情報提供者の取引形態(売主、代理、仲介の別を表したもの)は見落としがちですので注意しましょう。
2.不動産業者へ依頼する
不動産業者を選ぶ場合には、[ハトマーク]のステッカーの貼ってある店をご利用ください。
ハトマークは安心と保証のシンボルマークで、その店は当協会員の店舗です。
当協会は消費者の皆様が安心して取引が行えるよう、また万が一の場合にも保証が行えるよう種々の制度をご用意しています。
3.媒介契約を結ぶ
耳なれない契約ですが、不動産業者に不動産を売るまたは買う依頼をするとき、知っておかなければならないことの一つに媒介契約というのがあります。
- [1] 専任媒介契約
- 他の業者に重ねて依頼できない。
- [2] 専属専任媒介契約
- 他の業者に重ねて依頼できず、自ら見つけた相手と取引きすることが出来ない 。
- [3] 一般媒介契約
- 複数の業者に依頼できる。
契約期間など仔細は依頼する業者から説明を受けて契約してください。
4.現地確認をする
現地は必ず自分の目で確認することが大事ですので、現地確認のポイントを上げておきます。
現地確認のポイント
- 自分で通常の交通機関を使って行く。
- 現地には二度以上行く。
- 近所や地元の人にもいろいろ聞いてみる。
- たくさんの人と行く。
-
前もってチェックリストを作っておく。
5.登記内容の確認をする
不動産取引にあたっては、物件について最新の登記された権利関係(所有権、抵当権など)を物件の所在地を管轄する登記所(法務局)の登記簿で確認することが重要です。
また、土地の地図(公図)を見ることができるので、道路や隣地との関係なども確認してください。
6.法令上制限等の確認
土地の利用、建物の建築には都市計画法、建築基準法などで一定の制限が行われています。
皆さんが自分で建てたいと考えている建物が建てられるかどうかは、不動産を買う上で一番大きな要因ですので、行政担当課などで確認しておくことが大切です。
7.資金計画をたてる
不動産は土地、戸建住宅、マンションなどの種類と、その面積などにより価格が違ってきますが、いずれにしても高額で、多くの場合は自己資金と借入金によることとなります。
借入金などは、どこで、どれだけ借りられるのか前もって資金計画を綿密にたてることが大切です。
8.重要事項説明を受ける
重要事項説明といっても分かりにくいかも知れませんが、不動産業者は取引対象となる物件について、登記内容や法令上の制限など一定の重要な事項を説明し、併せてそれらの内容を記載した書面(これを重要事項説明書といいます)を交付しなければなりません。
不動産を買ったり、借りたりする場合は、契約前に必ずこの重要事項説明書の交付を受け、自分の確かめたいことや疑問に思うことなどを遠慮なく質問し、説明をよく理解した上で取引するか、しないかを決めてください。
尚、不動産業者がこの重要事項説明を行う場合は、宅地建物取引主任者に行わせることになっていますので、説明を受けるときは取引主任者証の提示を受けるようにしてください。
9.契約を結ぶ
契約は売主と買主が対等の立場でおこないますので、いったん契約書を作成すると、以後この取引は契約書の記載事項に従って進められ、将来取引についての紛争が生じたときも原則として契約書に基づいて解決されることになります。
契約書をよく読んで意味の分からないことや納得のいかないことが書いてあったら、納得できるまで聞くなり、調べるなりして十分に理解してから署名捺印をしてください。
契約するときに気をつけること
契約書記載内容の確認
- 物件の内容
- 代金とその支払方法および支払い時期 (代金の額や手付金、中間金、残金の額と支払日)
- 所有権の移転登記を申請する時期 (所有権を移転する登記の申請日など)
- 物件の引渡し時期 (いつから契約物件が使用できるかなど)
- 契約解除に関する事項(契約を解除できる場合や解除による損害金など)
- 危険負担事項 (契約後に当事者の責任によらないで物件が消滅した場合など)
- ローン条項 (住宅ローンなどの不成立による契約の解除)
契約行為の注意点
- 原則として売主、買主が出席して署名捺印を行う。
- 口約束はせずに必ず書面にする。
- 拇印署名だけでも契約書は有効であることに留意する。
-
物件によっては、開発行為の許可や宅地造成の許可、建築確認が必要な物件はその許可などがあった後でなければ契約してはならないので、この許可や確認を受けているかを確かめる。
10.仲介料を支払う
不動産の取引において、不動産業者が仲介または代理して成立したときには、不動産業者は報酬を請求することになります。
この報酬は宅地建物取引業法でその限度額が決められています。
- [1] 売買の仲介の場合
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依頼者の一方(売主又は買主)から受けることのできる報酬の額は、消費税込みで(ア)+(イ)+(ウ)以内となります。
- (ア)200万円以下の金額 × 5%
- (イ)200万円を超え400万円以下の金額 × 4%
- (ウ)400万円を超える金額 × 3%
例えば売買金額が1000万円の場合
- (ア)は 200万円 × 5% =10万円
- (イ)は (400万円-200万円) × 4% =8万円
- (ウ)は (1000万円-400万円) × 3% =18万円
合計36万円(税抜)以内となります。
※別途消費税はかかります。
- [2] 売買の代理の場合
-
依頼者から受けることのできる報酬の額は、(ア)+(イ)+(ウ)の2倍以内となります。
つまり、売買金額が1000万円とすると72万円(税抜)以内ということになります。